「働くための専門学校」が、なぜ所沢に根付いたか
「障がいがあっても、それぞれに合った環境を整えることで就労は可能になる」——一般社団法人MeRiseが繰り返し語るこの言葉は、2017年の設立から変わっていない。埼玉県所沢市に事務所を置き、就労継続支援B型・自立訓練・特定相談支援という3サービスを4拠点で展開する体制は、約8年をかけて段階的に積み上げてきたものだ。関越道所沢IC付近の企業を主な取引先として作業を受注しており、地域産業と就労支援の現場がつながっている。
取引銀行に武蔵野銀行東所沢支店、提携先に所沢IC周辺企業という地域密着ぶりから、地元に根ざした運営スタイルが伝わってくる。「地域の企業様のご理解あってのサービス」という言葉は、外部への感謝という以上に、一般社団法人MeRiseの事業の成り立ちそのものを示している。
3クラス制の評価システムと、見えやすくなった成長
所沢みらい図のビギナーコース・ミドルクラス・トップチーム(MTT)という3段階クラス制は、利用者の現在地を明確にしながら、次のステップを意識しやすい仕組みだ。工賃の幅は月20,000円〜40,000円で、クラスによって時給が異なる設定になっている。特別支援学校の職場実習先としても対応しており、学校との連携ルートも持っている。
「クラスが上がった瞬間が一番うれしかった」という利用者の話は、この仕組みの機能をよく表している。近隣の就労継続支援作業所からスキルアップ目的で移籍してくる方がいるという現状は、外部からの評価として素直に受け取れる数字だ。
自立みらい図に見る、多機能型支援のかたち
2025年3月に開所した自立みらい図は、自立訓練と就労継続支援B型を一体的に運営する多機能型事業所だ。午前に作業、午後にカリキュラムという組み合わせが選べるため、「生活面と就労面を一緒に整えたい」という段階の方に向いている。マンツーマンの面談で利用者の経験や思いを整理してから計画を立てる進め方は、画一的なプログラムとは異なる個別対応の姿勢を示している。
送迎体制も作業目的と訓練目的で種類が違い、就B利用者向けには固定2コース、自立訓練利用者には3.5km圏内の自宅送迎が用意されている。「電車に乗ること自体がまだ難しい段階でも通えた」という声が目立ち、送迎の有無が通所の壁を下げている実態が見えてくる。
相談みらい図が担う、通所後のつながり
所沢みらい図の建物内に設けられた相談みらい図は、障がいのある方の社会参加・自立を支えるための特定相談支援事業所だ。福祉サービスの利用計画作成・見直し・関係機関との連携を担い、本人とご家族の相談に対応している。エリアは12km圏内で、訪問でのヒアリングにも応じる。
プライバシーの厳守を明示しているほか、相談の窓口はLINE・電話・メールフォームの3種が用意されている。通所中の日常的な不安を早期に拾える環境が事業所内にあることで、「困ったことが起きた時にすぐ相談できた」という安心感を持つ利用者が多いようだ。個人的には、こういう「相談機能が同じ建物にある」設計が、支援の継続率に影響しているのではないかと感じた。


